星と月は天の穴(映画)のあらすじや結末を原作小説よりネタバレ!キャストと役どころも

映画『星と月は天の穴』が、2025年12月19日(金)に公開されます。
吉行淳之介の同名小説を原作に、荒井晴彦監督が脚本・監督を務める大人の
文芸映画。
物語の舞台は1969年。社会が揺れ、価値観が変わっていく時代の中で、孤独を
抱えた中年小説家が、二人の女性との出会いを通して、自身の「愛のかたち」
を探していく心のドラマ。
この記事では、映画『星と月は天の穴』のあらすじや結末を原作小説より
ネタバレ!またキャストと役どころについてもまとめました。
12月19日公開『星と月は天の穴』本予告
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星と月は天の穴(映画)のあらすじ

小説家の矢添克二は、妻に逃げられて以来10年間、独身のまま過ごした末に、
40代を迎えた。自分の娘が21歳になることを偶然再会した大学時代の同級生
から聞かされ、時の流れを実感する。
その一方で、離婚によって空いた心の穴を埋めるように娼婦の千枝子と軀を
交え、妻に逃げられた傷を引きずりながらやり過ごす毎日を送っていた。
実は矢添が恋愛に尻込みするもう一つの理由があった。それは誰にも知られ
たくない自身の秘密にコンプレックスを抱えていることだった。
不惑を過ぎても葛藤する矢添は、自身が執筆する小説の主人公Aに自分自身
を投影し、20歳下の大学生であるB子との恋模様を綴ることで「精神的な愛の
可能性」を探求していた。
そんなある日、矢添は画廊で大学生の瀬川紀子と運命的に出会う。
車で紀子を送り届ける途中、彼女の粗相を機に奇妙な情事へと至ったことで
矢添の日常と心情に変化が起こり始めた。
無意識なのか確信的なのか?距離を詰めてきては心に入り込んでくる
紀子の振る舞いを矢添は恐れるようになる。
一方、久しぶりに会った千枝子から「若いサラリーマンと結婚する」と聞かされ、
「最後に街へ一緒に出てみるか?」と誘い、娼館の外で夜を過ごした。
恋愛に対する憎悪と恐れと共に心の底では満たされたい願望も抱く矢添は、
もう一度、女性と向き合うことができるのか?
星と月は天の穴(映画)の結末を原作小説よりネタバレ

ある日、久しぶりに訪れた娼婦の店で千枝子と情事をした時、彼女から
「あなたは入れ歯でしょう」と言われて矢添は仰天する。
これこそ矢添の秘密であり、コンプレックスだった。
矢添が執筆中の小説の中では、AとB子の仲は瀬川紀子と矢添自身のように
とりとめのない会話をしながらも愛が芽生えているような感じになってきた。
だが現実の世界では千枝子に弱点を指摘され、瀬川にもわかっているのでは
ないかと矢添は不安になった。
瀬川に会う度に矢添は自分の部屋ではなくてホテルに行く。瀬川との関係は
これでいいのかと、矢添は頭の中で小説の中にいるAに相談する。
AはB子に会って自分自身を恋愛状態に置く。瀬川に会った矢添は自分たち
をオス犬とメス犬の関係に置こうとしている。
矢添はことさら瀬川を手荒く扱っていた。それは女性との間の濃密な人間関係
への憎悪と恐怖のためだった。
ある日、旅行に行った瀬川が帰ってきて「会いたい」と言ってきた。
矢添が久しぶりに会うと「あたしはあなたの何?」と聞かれた。
「メス犬だ」と矢添が答えると、瀬川は「犬でもお妾でもなんでもいいから
自分の部屋が欲しい」と言う。
答えをはぐらかす瀬川に「はい、お土産」と言って固い岩石飴を矢添の口の
中に入れた。矢添は自分の入れ歯のことを瀬川は知っているのだと思った。
それでも瀬川は自分に寄ってくる。思い切り情事を楽しんだ後、車で彼女を
送っている途中で事故に遭った。軽い怪我をした矢添は瀬川に付き添われて
病院へ行った。
頭を打ったので念のために頭蓋のレントゲンを撮った時、矢添は入れ歯で
あることがはっきりと証明された。
瀬川は「今まで、まるで反対のことを考えていたわ。ああいう髑髏を持って
いる矢添さんに思い切りいじめてもらいたいと考えていたのよ」と言う。
矢添は「そう言う君を許してくれる若い男もきっと見つかるはずだ」と言う。
矢添は身体の底から激しい欲情が衝き上がってくるのを感じながら、瀬川と
向かい合っていた。
星と月は天の穴(映画)のキャストと役どころ

| 役名 | 矢添克二/小説の中のA |
| 役どころ | 結婚生活に失敗した小説家/自身が書く小説の中の主人公 |
| 演者 | 綾野剛 |
| 生年月日 | 1982年1月26日 |
| 出身地 | 岐阜県 |
| 出演作品 | 『でっちあげ~殺人教師と呼ばれた男』『カラオケ行こ!』『愚か者の身分』など |
| 役名 | 瀬川紀子 |
| 役どころ | 矢添克二と画廊で出会う女子大学生 |
| 演者 | 咲椰 |
| 生年月日 | 2000年4月11日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 出演作品 | 『桐島です』『粛々のモリ』『お江戸のキャンディー2』など |

| 役名 | 千枝子 |
| 役どころ | 矢添克二のなじみの娼婦 |
| 演者 | 田中麗奈 |
| 生年月日 | 1980年5月22日 |
| 出身地 | 福岡県 |
| 出演作品 | 『ナイトフラワー』『ストロベリームーン余命半年の恋』『雪風YUKIKAZE』など |

| 役名 | |
| 役どころ | 矢添克二の大学時代の同級生 |
| 演者 | 柄本佑 |
| 生年月日 | 1986年12月16日 |
| 出身地 | 京都府 |
| 出演作品 | 『ゆきてかへらぬ』『花腐し』『春画先生』など |
| 役名 | |
| 役どころ | 娼館「愛馬俱楽部」の女主人 |
| 演者 | 宮下順子 |
| 生年月日 | 1949年1月29日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 出演作品 | 『農家の嫁は、取り扱い注意!』『罪の声』『猫カフェ』など |

| 役名 | |
| 役どころ | 小説の中のB子/大学生 |
| 演者 | 岬あかり |
| 生年月日 | 1999年1月7日 |
| 出身地 | 神奈川県 |
| 出演作品 |
| 役名 | |
| 役どころ | 娼館「愛馬俱楽部」の女 |
| 演者 | MINAMO |
| 生年月日 | 2000年5月10日 |
| 出身地 | 京都府 |
| 出演作品 |
他吉岡睦雄、原一男出演
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星と月は天の穴(映画)の見どころ

映画『火口のふたり』など人間の本能である「愛と性」を描いて観る者の情動
をかき立ててきた映画監督の荒井晴彦による最新作で念願であった作家の吉行
淳之介による芸術選奨文部大臣賞受賞作品の映画化。
過去の離婚経験から女性を愛することを恐れる一方で愛されたい願望をこじら
せる40代小説家の日常を官能的かつ哀愁を織り交ぜながら描いていく。
“言葉を生きたものにする”演技へのこだわりや、荒井監督らしい静と動のバラ
ンスのある演出が魅力。
妻に逃げられた過去を持つ40代の小説家・矢添克二と小説の中のAを演じている
のは綾野剛。荒井晴彦監督とは2023年公開の映画『花腐し』に続いてタッグを
組んだ。
綾野剛は「台詞を噛めば噛むほど、説明台詞を逸脱し… 生きた言葉へと昇華する」
と語っており、その演技が見どころ。
映画、ドラマに出演して着実に俳優としてのキャリを積み重ね、名実共に確固
たる地位を築き上げてきた綾野は、これまで見せたことがない枯れかけた男の
色気を見せ、過去の離婚経験から女を愛することを恐れながらも求めてしまう
心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない人物になりきった。
矢添克二と運命的に出会う瀬川紀子を咲椰が演じる。
大学生・瀬川紀子(咲耶)は、出会いをきっかけに自分の中の欲望や感情に目覚
めていく。咲耶自身が「卍」(64年の映画)の若尾文子を研究したという発言も
あり、この役が彼女の新境地になる可能性がある。
女を拒む矢添の心に無邪気に足を踏み入れる女子大学生として綾野剛演じる
矢添克二とどのように絡むのか気になるところ。
矢添克二のなじみの娼婦・千枝子を演じているのは田中麗奈。
物語には娼婦・千枝子(田中麗奈)との関係や、大胆なラブシーンが含まれて
おり、性愛描写が純文学的な切なさや哀愁と融合している。
2023年公開の荒井晴彦監督の映画『福田村事件』にも出演している。本作
では綾野剛演じる矢添克二と絶妙な駆け引きを見せ、女優としての新しい
境地を切り開いた。
さらに個性派俳優にして名優の柄本明を父親、女優の角替和枝を母親に持つ
柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子も出演して脇を固めている。
1969年という激動の時代を背景に、ひとりの男の私的な物語を映した映画
『星と月は天の穴』は映画界に一石を投じ、観る者は地味深き本作に温故
知新を感じるだろう。
まとめ
主演の綾野剛を中心に、俳優たちの繊細で真摯な演技が、“愛とは何か”という
普遍的な問いを観客に投げかける。
昭和レトロな空気と、現代にも通じる心の孤独が重なることで、ただの恋愛映画
ではなく、心の穴をどう埋めるべきかという深いテーマに触れることができる作品。
公開は、2025年12月19日(金)
最後までありがとうございました。
ゆうすけ







