セプテンバー5(映画)のあらすじや見どころ!黒い九月事件や関連映画についても

 

映画『セプテンバー5』が、2025年2月14日(金)公開されます。

 

1972年9月5日にミュンヘンオリンピックで発生した「黒い九月事件」を

描いた社会派サスペンス映画。

 

パレスチナの武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に取った

この事件を、スポーツ番組のテレビクルーの視点から描いています。

 

この記事では、映画『セプテンバー5』のあらすじや見どころ、また

黒い九月事件や関連映画についてもまとめました。

 

 

映画『セプテンバー5』日本版60秒予告(第82回 GG賞® ドラマ部門/作品賞ノミネート)

 

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セプテンバー5(映画)のあらすじ

 

1972年9月5日、旧西ドイツ・ミュンヘン。

 

オリンピック選手村にある宿舎に武装したパレスチ武装組織「黒い九月」

が侵入した。

 

武装組織はイスラエル人選手二人を殺害し、九人のイスラエル人選手を

人質にして宿舎に立てこもり、4年に一度開催される“平和の祭典”は一転

して“オリンピック史上最悪のテロ事件”へと変わってしまった。

 

事件現場から100メートルの場所でオリンピック競技の中継を担当していた

スポーツ番組チームは報道部門に交代させろという本社の要請を拒否し、

そのまま事件を中継していく。

 

事件に関する情報が錯綜し、武装組織「黒い九月」からの要求が激しさを増し

さらに事件対応を担うはずの現地警察が全く機能しない中、交渉期限が否応

なしに迫ってくるのだった。

 

 

 

セプテンバー5(映画)の見どころ

 

4年に一度開催される“平和の祭典”を“史上最悪のテロ事件”に変えた五輪史上

最悪の人質事件の中継を担ったアメリカのテレビ局「ABC」のスポーツ番組

チームの姿を圧倒的な緊迫感と共に描かれていく。

 

世界で九億人が目撃した人質事件の中継を担当したのは報道とは全く縁の

ないスポーツ番組チームだったという実話が基になっており、第82回ゴール

デングローブ賞で作品賞(ドラマ部門)にノミネートされ、アカデミー賞

有力候補としても呼び声が高い。

 

公開された予告ではバレーボール、ボクシング、陸上競技など平和の祭典

で全力を尽くす選手たちの姿が映し出されていく一方、鳴り響いた銃声が

オリンピック史上最悪の人質事件の発生を告げるなど、圧倒的な緊迫感に

満ちている。

 

さらに映し出される手に握られたストップウォッチが迫りくる交渉の

タイムリミットを感じさせる。

 

「報道の自由とは何か」「報道される被害者側の人権」「事件を報道する

ことでもたらされる結果の責任」など放送のルールが未だ明確になって

いなかった時代にもしも自分がいたらどうするのかを観る者に鋭く突き

つける。

 

世界が初めて生中継を通してテロリズムを目撃した衝撃の1日を90分間で描

き出すノンストップサスペンス・ドラマが展開される映画『セプテンバー5』

は第81回ベネチア国際映画祭でいち早く上映され「すべてのレベルで傑作」

「今年最高の緊迫感 今年最高の作品」と圧倒的な賞賛を受けている。

 

脚本と監督を務めたのはスイス出身のティム・フェールバウム。

 

映画『プロジェクトユリシーズ』と終末世界を舞台にした映画『HELL』で

知られており、そのサスペンスフルな演出を社会派作品に融合させている。

 

オスカー俳優ティム・ロビンスが監督を務めた映画『デッドマン・ウォーキ

ング』『ニュースの天才』『ブルージャスミン』『17歳の肖像』などで

知られ、オスカー女優ジョディ・フォスター主演のサスペンス『フライト

プラン』で航空保安官を演じたピーター・サースガード、『ブレイブワン』

『不屈の男 アンブロークン』『キャロル』『ザ・ブリザード』などで知ら

れるジョン・マガロが出演している。

 

巨匠テレンス・マリックが手掛けたラブストーリー『ニュー・ワールド』と

戦争大作『シン・レッド・ライン』に出演し、映画『バースデイ・ガール』

ではオスカー女優ニコール・キッドマンと共演したベン・チャップリン、

ドイツ出身の女優で『白いリボン』と『イヴォンヌ』『ありふれた教室』

で知られるレオニー・ベネシュが出演している。

 

また、フランス出身の俳優で映画『パリの小さなオーケストラ』と『プレイ

-獲物-』『フランス、幸せのメソッド』などで知られるジネディーヌ・スア

レム、映画『ザ・モーリタニアン黒塗りの記録』で知られるコーリイ・ジョ

ンソンと『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』で知られるジョージナ・

リッチも出演している他、映画『County Lines』(原題)、テレビシリーズ

『The Wheel of Time』(原題)で知られるマーカス・ラザフォードも出演

している。

 

製作には映画『ミスティック・リバー』と『ミルク』でアカデミー主演男

優賞を受賞し『イン・トゥ・ザ・ワイルド』『インディアン・ランナー』

『フラッグ・デイ父を想う日』などで監督を務めたショーン・ペンが製作

に名を連ねている。

 

 

 

セプテンバー5(映画)黒い九月事件とは?

 

1972年9月5日に旧西ドイツ(現在のドイツ)の都市ミュンヘンで発生した

人質事件がミュンヘンオリンピック事件である。

 

事件を実行したのはパレスチナ武装組織「黒い九月」で、事件を実行した

グループの名前から「黒い九月事件」とも呼ばれている。

 

9月5日午前4時40分頃、自動小銃を手にしたパレスチナ武装組織「黒い九月」

のメンバー8人がオリンピック選手村にフェンスを乗り越えて侵入した。

 

その時、8人のメンバーがフェンスを乗り越えているところを目撃した警備員

がいたが、リュックサックを背負っていたのでオリンピック選手が人目を忍

んで戻ってきただけだと気に留めなかったという。

 

「黒い九月」のメンバーはイスラエル人選手の宿舎を発見し、自動小銃AK-47

と手榴弾で武装し、覆面をかぶって宿舎へ侵入した。選手2名を射殺し、イス

ラエルに拘留されているパレスチナ人230人の釈放と日本赤軍のメンバーで

ある岡本公三とドイツ国内に収監されているドイツ赤軍の幹部の釈放も要求し、

イスラエル人選手9人を人質にして宿舎に立てこもった。

 

午前5時30分頃に巡回中の警察官がレスリングコーチのワシェ・ワインバーグ

の遺体を発見したことにより事件が発覚した。

 

午前8時45分頃にミュンヘンの警察本部長はオリンピック関係者2名と共に

「黒い九月」のリーダーであるルッティフ・アフィフと交渉に臨んだ。

 

釈放についてはイスラエル側と協議中であり、交渉の期限を午後12時までに

することを認めさせた。

 

ただし釈放されなければ人質2名を射殺するという条件が付けられていた。

事件発生直後から西ドイツ側はイスラエル側と協議していたが、ゴルダ・

メイア首相は黒い九月側からの要求を拒否していた。

 

また、メイア首相はイスラエル国防軍部隊を西ドイツに派遣して事件解決

を図ろうとしていたが、西ドイツ側が自国の法律によって外国軍の活動を

制限していたことによってイスラエル側の打診を拒否した。

 

西ドイツ側は交渉による事件解決を断念し、武力行使による解決のみという

選択肢が残された。しかし、この時点では「黒い九月」のメンバー数を正確

に把握していなかったため、「釈放についてイスラエルと交渉中である」

として期限を延長させていた。

 

午後5時頃、西ドイツ当局はオリンピック関係者を人質の確認という理由で

宿舎内に潜入させることに成功。

 

宿舎を占拠しているメンバーは5人いることがわかった。西ドイツの警察は

突入部隊を編成して宿舎への突入を試みたが、テレビで生中継されていた

ことで実行グループ側に気付かれ、作戦は中止された。

 

その後の交渉によって「黒い九月」のメンバーは飛行機でエジプトの首都

カイロへ脱出することを要求し、西ドイツ当局はこの要求を認めた。

 

同日の午後10時頃に人質9人と「黒い九月」のメンバーはミュンヘン郊外に

ある空港へ移動するために宿舎の地下から用意されたバスに乗り、宿舎から

200メートル離れた場所へ移動した。

 

午後10時30分、「黒い九月」メンバーと人質9人を乗せたヘリコプター2機が

フュルステンフェルトブルック空軍基地に着陸。

 

実行犯副リーダーのユスフ・ナザールはリーダーのルッティフ・アフィフと

共に用意されたルフトハンザ航空のボーイング727の機内に入った。しかし、

機内に誰もいないことを不審に思い、ヘリコプターへ戻った。

 

そして2人がヘリコプターへ到達しかけた時、滑走路上にいた狙撃手が発砲。

続いてタワーにいた狙撃手2名も発砲した。

 

アフィフとイッサも発砲したことによって銃撃戦となった。

 

やがて「黒い九月」メンバーの1人が手榴弾で自爆し、人質9人が搭乗していた

ヘリコプターが爆発、炎上した。

 

人質9人は目隠しをされ、両手を後ろで縛られていて数珠つなぎ状態であった

ために脱出できなかった。

 

“平和の祭典”を“史上最悪のテロ事件”に変えたミュンヘンオリンピック事件

は人質となっていたイスラエル人選手9名全員が死亡し、西ドイツの警察官

も1名死亡という最悪の結末を迎えた。

 

事件を引き起こしたパレスチ武装組織「黒い九月」側は8人のメンバーのうち

リーダーを含めて5人が死亡した。残り3人は逃亡を図ったものの、すぐに逮捕

された。

 

事件を受けてイスラエル国内ではミュンヘンオリンピック中止を求める声が

出たが、反ユダヤの言動で知られるアベリー・ブランテージ国際オリンピック

会長の命令で競技続行が指示された。

 

事件の翌日9月6日午前10時から、オリンピック・スタジアムでイスラエル選手

団の追悼式が行われた。

 

同日午後4時50分、ミュンヘンオリンピックは事件による中断から34時間ぶり

に再開された。

 

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ミュンヘンオリンピック事件関連映画

ミュンヘン

 

映画 「ミュンヘン」 (05 米/日本公開0602) 予告編 <2m40s>

 

 

 

概要

作家ジョージ・ジョナスによるノンフィクション小説『標的(ターゲット)は11人

モサド暗殺チームの記録』を原作に、映画『シンドラーのリスト』でアカデミー

作品賞と監督賞、『プライベート・ライアン』で2度目のアカデミー監督賞を

受賞したスティーブン・スピルバーグが映画化した衝撃のサスペンス・ドラマ。

 

1972年9月5日に発生したミュンヘンオリンピック事件の首謀者とされるパレ

スチナ人11人を暗殺する「神の怒り作戦」の実行グループに選ばれたイスラ

エル諜報特務庁(モサド)工作員の苦悩と過酷な任務を描き出していく。

 

歴史大作『トロイ』『ザ・ブリザード』などで知られるエリック・バナ、

『007 カジノ・ロワイヤル』で6代目ジェームズ・ボンドを演じたダニエル

・クレイグ、映画『シャイン』で実在のピアニストを演じてアカデミー主演

男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュが出演している。

 

 

 

あらすじ

ミュンヘンオリンピック開催中、パレスチナ武装組織「黒い九月」によって

11人のイスラエル人選手が殺害されるという史上最悪の事件が発生した。

 

イスラエルの首相ゴルダ・メイアは事件の首謀者とされるパレスチナ人11人

に対する報復として「神の怒り作戦」の実行を決める。

 

イスラエル諜報特務庁(モサド)工作員アブナーは上官エフライムから作戦

の説明を受け、自動車の専門家スティーブ、掃除人カール、文書偽造の

専門家ハンス、爆弾製造を担当するロバートと共に暗殺を実行していく。

 

 

 

見どころ

“平和の祭典”を“史上最悪のテロ事件”に変えたミュンヘンオリンピック事件を

実行したパレスチナ人に対する報復を描いた衝撃作である。

 

オープニングから衝撃的なシーンがあり、暗殺チームが作戦を実行していく

過程でも血生臭いシーンがある。

 

力に対して力で対応することが本当に正しいのか。なぜ報復の連鎖を人は

止めることができないのか。

 

報復が新たな報復を呼ぶことを否が応でも観る者に突きつけてくる。

 

イスラエル諜報特務庁(モサド)が登場しているのでスパイ映画の要素も

含まれている。

 

情報提供者への接触、銀行の貸金庫、文書偽造など往年のスパイ映画を

想わせるが、あくまでも史実に基づいた映画であり、観る者に衝撃を与える

ことは確か。

 

 

 

『ブラック・セプテンバー』ミュンヘン・テロ事件の真実

 

 

ブラック・セプテンバー ~ミュンヘンオリンピック事件の真実~

 

 

 

概要

1972年9月5日に発生したミュンヘンオリンピック事件の実行犯で唯一の生存

者ジャマール・アル・ガーシーの史上初のインタビュー、事件関係者による生々

しい証言と豊富なニュース映像で構成されたドキュメンタリー。

 

事件を起こしたパレスチ武装組織『黒い九月』と旧西ドイツ当局者との緊迫

の交渉、地元警察の不手際が招いた悲劇的な結末が描かれていく。

 

映画『消されたヘッドライン』『ラストキング・オブ・スコットランド』でウガ

ンダの独裁者イディ・アミンを演じたフォレスト・ウィテカーにアカデミー主演

男優賞をもたらしたスコットランド出身のケビン・マクドナルドが監督を務めた。

 

映画『カッコーの巣の上で』で製作を務めてアカデミー作品賞を受賞し、

映画『ウォール街』でアカデミー主演男優賞を受賞したアメリカ人俳優

マイケル・ダグラスがナレーターを務めた。

 

 

 

あらすじ

1972年9月5日の早朝4時50分、オリンピック開催中のミュンヘン。

 

パレスチ武装組織「黒い九月」のメンバー8人が選手村に侵入し、11名の

イスラエル人選手を人質にして立てこもり、収監されているパレスチナ人

と日本赤軍とドイツ赤軍のメンバー236人の釈放を要求した。

 

イスラエル側は「黒い九月」側の要求を断固拒否し、自国の軍隊を派遣して

事件の解決を図ろうとするが、西ドイツ側が拒否した。

 

各会場で世界中から集まった選手が競技に挑む中、「黒い九月」と西ドイツ

当局との膠着状態が続く。

 

そして全世界で9億人もの視聴者がテレビの生中継を通じて史上最悪の

テロ事件を見守っていく。

 

 

 

見どころ

“平和の祭典”から“オリンピック史上最悪のテロ事件”となったミュンヘンオリ

ンピック開催中に起きた人質事件に迫る衝撃のドキュメンタリー。

 

事件の実行犯で唯一の生存者ジャマール・アル・ガーシーの史上初のインタ

ビューが収められている。

 

また、事件関係者の生々しい証言も収められており、オリンピック史上最悪

の人質事件が本当に起きたことを実感させられる。

 

 

 

まとめ

映画『セプテンバー5』にしても『ミュンヘン』や『ブラック・セプテンバー~ミュン

ヘンオリンピック事件の真実~』も、事件の報道とその影響、そして報道の

在り方について深く考えさせられる作品となっています。

 

公開は、2025年2月14日(金)

 

最後までありがとうございました。

ゆすうけ




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