若草物語の原作者ルイザ・メイ・オルコットとは?物語の内容や背景にある南北戦争についても

 

映画『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/私の若草物語』が2020年初夏

に公開予定です。※新型コロナウイルスの影響で3月27日(金)から変更されました。

 

不朽の名作『若草物語』が原作で、南北戦争時代に力強く生きるメグ、ジョー、ベス、

エイミー、マーチ家4姉妹の日常生活を作家志望の次女ジョーを主人公に描かれて

います。

 

この記事では『若草物語』の原作者ルイザ・メイ・オルコットについてや物語の内容、

そしてその背景にある南北戦争についてまとめてみました。

 

※新型コロナウイルスの影響で公開延期になっていましたが

2020年6月12日(金)より全国の映画館で順次公開されます。

 

 

 

 

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『若草物語』の原作者ルイザ・メイ・オルコットについて

 

ルイザ・メイ・オルコットは1832年11月29日にアメリカのペンシルベニア州で誕生。

父親は進歩的な思想家で教育者であった。1844年にボストンへ移住する。

 

16歳の頃から貧しい家計を助けるために執筆活動を開始する。家庭教師、臨時教師、

針子、家庭手伝いなど多くの職を経験しながら執筆活動を続けた。

 

四姉妹の日常を描いた自伝的小説『若草物語』が1868年に出版され、一躍ベストセラー

作家となった。その後も執筆活動を続け『続 若草物語』『第三若草物語』『第四若草

物語』などを生み出していく。

 

『若草物語』に登場する次女のジョーは小説家を夢見ている設定で、原作者である

オルコット自身がモデルであると言われている。小説の中でジョーは結婚をするが、

オルコット自身は生涯独身を貫いた。

 

1888年3月6日、ルイザ・メイ・オルコットは55歳という若さでその生涯の幕を閉じた。

彼女の父親が2日前に亡くなっており、その後を追うようにして亡くなった。死因には

いくつか説があり、脳卒中で亡くなったのではないか、あるいは南北戦争時に従事して

いた労働による水銀中毒の後遺症で亡くなったという説もある。

 

残りの生涯も執筆活動に励み続けたルイザ・メイ・オルコット。彼女が生み出した多く

の作品は時代を経ても読み継がれ、そして愛され続けていくだろう。

 

 

 

『若草物語』の内容(概要)とは?

 

物語の舞台は南北戦争時代のアメリカ。

父親が北軍の従軍牧師として出征したことで女性だけとなったマーチ家。

 

優しく堅実な母に見守られ、時に導かれながら、父の無事と帰還を祈り、慎ましく

暮らす長女メグ、次女ジョー、三女ベス、四女エイミーの姿が描かれる。

 

マーチ家に起こる楽しい出来事や悩み、事件、大きな試練を経験しながら、四姉妹

が少女から大人へと成長していく。

 

続編として『続 若草物語』『第三若草物語』『第四若草物語』がある。

因みに『続 若草物語』は長女メグの結婚に始まり、次女ジョーが結婚に至るまでに

四人の姉妹達が出会う出来事が描かれていく。

 

『第三若草物語』では次女のジョーが大おばマーチから遺された学園で子供たちと

過ごす様子が描かれていく。マーチ家の両親や姉妹達についてのセリフがほとんど

なく、2作目の『続 若草物語』とは異なる小説となっている。

 

『第四若草物語』は3作目で登場した学園が大学となり、四姉妹の母はすでに亡く

なっている。姉妹達は成人しており、4人がそれぞれの道を歩んでいく。また当時の

アメリカで問題となっていた婦人参政権の問題が描かれている。

 

『若草物語』は過去複数回にわたって映画化されている。

1933年に『勝利の朝』『招かれざる客』『冬のライオン』『黄昏』の4作でアカデミー

主演女優賞で受賞した女優キャサリン・ヘップバーン主演で映画化されている。

 

ヘップバーンがマーチ家の次女のジョーを演じている。監督は『マイ・フェア・

レディ』でアカデミー監督賞を受賞したジョージ・キューカー。

 

1949年にも映画化され、四女のエイミーを『バターフィールド8』と『バージニア・

ウルフなんかこわくない』でアカデミー主演女優賞を受賞したエリザベス・テイラー

が演じている。

 

1994年にも映画化され『デッドマン・ウォーキング』でアカデミー主演女優賞を受賞

したスーザン・サランドンが四姉妹の母親を演じている。またこの映画には『ザ・

ファイター』でアカデミー助演男優賞を受賞したクリスチャン・ベイルも出演している。

 

 

 

物語の背景にある南北戦争とは?

 

物語の背景にあるのはアメリカ史上最大の内戦といわれた南北戦争。1860年11月に

行われた大統領選挙で奴隷制度に反対していたエイブラハム・リンカーンが大統領に

当選。しかしリンカーン自身は奴隷制度に反対ではあったが、この時点では制度廃止

を宣言していなかった。

 

奴隷は個人が所有している財産であるとされていたが、南部では不安が広がった。

同じ年の12月にサウスカロライナ州がアメリカ合衆国から脱退を宣言。翌年の1861年

2月までにミシシッピ州、フロリダ州、アラバマ州、ジョージア州、ルイジアナ州、

テキサス州も相次いでアメリカ合衆国から脱退を宣言した。

 

2月4日には脱退した7つの州がアメリカ連合国を結成し、首都をアラバマ州モンゴ

メリーに置き、ジェファーソン・デイビスが暫定の大統領に指名され、11月に正式に

大統領に当選。

 

1861年3月4日にリンカーンが第16代大統領に就任。同年の4月12日に南軍が

サムター要塞を砲撃し、南北戦争の火ぶたが切って落とされた。

 

開戦当初は南部も北部も戦争準備は全くできておらず、特に南部は正規軍と呼べる

兵力は保有していなかった。このため、南北戦争は早期に終結するという見方が

強かった。

 

しかし予想に反して、ロバート・エドワード・リーを始めとする指揮官が北軍ではなく

南軍に加わったことにより戦争が長期化していくこととなった。

 

当初は南軍が北部へ進攻する勢いを見せていたものの、ゲティスバーグの戦いで

北軍が勝利を収めたことによって戦局が変わっていく。

 

北軍による海上封鎖、ミシシッピ川制圧作戦、南部縦断作戦によって追い詰められて

いった南軍は1865年4月に北軍総司令官ユリシーズ・グラントに降伏した。

 

4年間に渡って続き、南軍でおよそ26万人、北軍でおよそ36万人におよぶ死者を

出したアメリカ史上最大の内戦といわれた南北戦争は1865年4月9日に終結した。

 

南北戦争の最中である1863年1月にリンカーン大統領は奴隷解放を宣言。

戦争終結後に奴隷解放が法的に実現したものの、黒人の社会的、経済的な開放は

放置され、差別の中に押し込められてしまった。

 

因みに南軍の指揮官として活躍したロバート・エドワード・リーの直系の子孫に作家

であるネル・ハーパー・リーがいる。彼女は『アラバマ物語』の原作者である。

 

この小説は出版後にベストセラーとなり、ピューリッツァー賞を受賞した。1962年に

グレゴリー・ペック主演で映画化され、弁護士役を演じたペックがアカデミー主演

男優賞を受賞している。

 

 

 

南北戦争が背景にある映画や文学

『若草物語』の他に南北戦争が背景にある映画や文学をご紹介します。

 

風と共に去りぬ

 

原作はマーガレット・ミッチェルによるベストセラー小説。

 

ミッチェルの生涯で最初で最後の作品で、1936年の出版以来、今もなお読み継がれて

いるアメリカ文学の名作です。そして映画も世界のどこかで上映されない日はないと

言われるほどです。

 

アメリカ南部ジョージア州。16歳の少女スカーレット・オハラは名家ウィルクス家の

御曹司シュレーとの結婚を夢見ている。しかし彼は自分のいとこであるメラニーとの

結婚を選ぶ。メラニーへのつら当てにスカーレットは彼女の兄チャールズと結婚する。

 

しかし南北戦争が勃発し、チャールズは戦場へと向かう。アメリカ史上最大の内戦と

いわれる南北戦争の中、強く、たくましく生き抜くスカーレット・オハラの姿を壮大

なスケールで描き出していく。

 

 

 

 

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コールドマウンテン

 

原作は映画と同名のチャールズ・フレイジャーによるベストセラー小説。

 

『めぐりあう時間たち』でアカデミー主演女優賞を受賞したニコール・キッドマン

主演。レネー・ゼルウィガーが南北戦争の中をたくましく生きる流れ者の女性を演じ

てアカデミー助演女優賞を受賞した。

 

監督は『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー監督賞を受賞したアンソニー

・ミンゲラ。

 

南軍の兵士インマンはノースカロライナ州からバージニア州に送られ、激しい戦いに

身を置く。友人を失い、自らも負傷したインマンは愛する女性エイダに会うために

故郷であるコールドマウンテンに徒歩で向かっていく。

 

『カポーティ』でアカデミー主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマン

と『ブラック・スワン』でアカデミー主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンも

出演している。

 

 

 

 

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グローリー

 

南北戦争の際に実在した黒人部隊が描かれている。黒人兵士を演じたデンゼル・

ワシントンがアカデミー助演男優賞を受賞している。また『ミリオンダラー・ベイビー』

でアカデミー助演男優賞を受賞したモーガン・フリーマンも出演している。

 

監督は『戦火の勇気』や『マーシャル・ロー』、『ラストサムライ』などで知られる

エドワード・ズウィック。

 

1862年、アンティータムの戦いを生き延びた若き北軍の大尉ロバート・グールド・

ショーは帰郷したボストンで黒人部隊の隊長を依頼され、友人と共にその職に就いた。

 

味方であるはずの北軍内での差別や無理解と闘いながら、ショーは来るべき実戦に

備えて厳しい訓練を受けさせていくのだった。

 

映画で黒人部隊の指揮を執るロバート・グールド・ショーは実在の人物。意外にも

黒人部隊の指揮を依頼された際、最初はその依頼を断ったというが、熟慮の末に依頼

を承諾したという。

 

やがて部下達の献身的な姿が彼に強い印象を与え、黒人兵士を尊敬するようになった。

黒人兵士が白人兵士よりも少ない給与を受け取ることを知った時は、この不平等が

改善されるまで給与の受け取りを拒否したという。

 

また、ロバート・グールド・ショーは南北戦争中に家族と知人に200通以上の手紙を

書いている。その手紙はハーバード大学にある図書館に納められている。これらの手紙

を基にして、映画『グローリー』の原作である『ある偉大な突撃』が書かれた。

 

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まとめ

こうして作品の原作者や物語の内容や時代背景などに触れると、より一層、映画や小説

を観たい、読みたいと感じますね。

 

また南北戦争が背景にある映画などは、まだ観ていないものもあるはずです。

今回お紹介した作品で興味を惹かれたものがあれば、観てみてはいかがでしょうか。

 

最後までありがとうございました。

ゆうすけ

 




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