事実は小説より奇なり! 実話を基にした映画を徹底解説!
今回は、実話を基にした映画を徹底解説するというテーマでお送りします。
実話を基にした映画は、これまで数多く描かれていますが、独断と偏見に
よって選出させていただきました。悪しからず。
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ノンフィクション小説誕生の裏に隠された衝撃の事実をあぶり出す!
映画『ティファニーで朝食を』の原作者として知られる作家トルーマン・カポーティが
ノンフィクション小説『冷血』を完成させるまでを描き出す衝撃の映画が2005年公開
の『カポーティ』である。
【映画】カポーティ 予告
あらすじ
1959年11月15日、アメリカ・カンザス州ホルカムで農業を営む一家4人が惨殺
される事件が発生した。
新聞で事件に強い興味を持った作家トルーマン・カポーティは幼なじみで作家
ネル・ハーパー・リーと共に事件現場へと向かった。
殺人事件を捜査するアルビン・デューイ刑事に接近して捜査資料を閲覧した
カポーティは事件の容疑者として逮捕された2人の青年ディック・ヒコックと
ペリー・スミスのうち家族に捨てられた過去を持つペリーに対して親近感を
抱くようになっていく。
見どころ
小説が完成するには逮捕された容疑者2人が死刑になる必要があるが、一方
では容疑者2人の死を誰よりも恐れるカポーティの苦悩が伝わり、、重苦しく
暗い気持ちにさせられる。
カポーティ本人であると思ってしまうほど役になりきったフィリップ・シーモア・
ホフマンの演技は見事である。
第78回アカデミー賞で作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞、主演男優賞に
ノミネートされ、主人公である実在の作家トルーマン・カポーティを完璧に演じた
フィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー主演男優賞を受賞した。
ちなみに、アカデミー助演女優賞にノミネートされたキャサリン・キーナーが
演じていたのは小説『アラバマ物語』の原作者ネル・ハーパー・リーである。
フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、ブルース・グリーンウッド
の他に映画『アダプテーション』でアカデミー助演男優賞を受賞したクリス・
クーパーが出演している。
18年間機密扱いされていた驚くべき救出作戦を描くオスカー受賞作!
映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅だち』でアカデミー脚本賞を受賞した
ベン・アフレックが製作、監督、主演を務め、第85回アカデミー賞で作品賞
を受賞した実話を基にしたサスペンスドラマが『アルゴ』。
映画『アルゴ』予告編1【HD】 2012年10月26日公開
あらすじ
1979年11月4日、中東イランの首都テヘラン。
イランのパーレビー元国王の癌治療を理由に受け入れたアメリカの方針に
反対するイラン人の群衆が首都テヘランにあるアメリカ大使館を占拠し、
52人の大使館職員が人質となった。
混乱の中で6人の職員が大使館の裏口からかろうじて脱出してカナダ大使の
私邸に「客人」として保護されるが、イラン側に見つかれば公開処刑をまぬが
れることはできない。
絶望的な状況の中、CIAは人質救出を成功させてきたトニー・メンデスを
呼び出した。
トニーはカナダ大使の私邸に保護されている6人の職員をカナダ人映画スタッフ
に仕立て上げ、イラン国外に脱出させるというあり得ない救出作戦を実行に移す。
見どころ
映画のオープニングからエンディングまで手に汗握る緊張感にあふれた映画
である。外交機密書類を破棄できるのか? アメリカ大使館を警備する海兵隊
はデモ隊を食い止めることができるのか? 6人の大使館職員はイランから脱出
できるのか?
一難去って、また一難という展開で瞬く間に映画の中に引き込まれ、自分が
映画の中にいるような感覚となってしまう。
ちなみに、ベン・アフレックの他に『シリアナ』でアカデミー助演男優賞を受賞した
ジョージ・クルーニーも製作を務め、アフレックと共にアカデミー作品賞を獲得した。
1枚の写真に隠された戦争の真実とは?
巨匠が描く衝撃の実話
映画『許されざる者』と『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー監督賞と作品賞を
受賞したクリント・イーストウッドが製作、監督、音楽を担当した映画2006年に
公開された『父親たちの星条旗』である。
映画「父親たちの星条旗」日本版劇場予告
あらすじ
太平洋戦争最大の激戦が繰り広げられた硫黄島にある擂鉢山に星条旗を立てる
6人のアメリカ人兵士を写した1枚の写真に隠された真実を描き出していく。
アメリカ・ウィスコンシン州で葬儀社を経営するジョン・ブラッドリーは太平洋戦争で
激戦が繰り広げられた硫黄島で戦った元兵士である。
ジョンはある日倒れ、「あいつはどこだ?」とうわごとを口にし、ジョンの息子
ジェームズは自分の父親のことを知るために父親の戦友を訪ね始める。
太平洋戦争末期の1945年、硫黄島でアメリカ軍と日本軍が激しい戦闘を繰り
広げて方に多大な死傷者を出した後、アメリカ軍が勝利を収める。
硫黄島にある擂鉢山に星条旗を立てた6人のアメリカ軍兵士の姿が1枚の写真
に写された。
ジョン・ブラッドリー、レイニー・ギャグノン、アイラ・ヘイズの3人の兵士はアメリカ
へ帰国後、戦意高揚のために英雄として祭り上げられ、アメリカ各地で戦費調達
のキャンペーンに駆り出されていく。
見どころ
ひとりは写真に関する真実に対して沈黙を貫き、ひとりは千載一遇のチャンス
としてとらえ、ひとりは英雄視されることに対して次第に追いつめられていく
姿には深い痛みと悲しみを感じる。
生と死が隣り合わせになっている戦場と図らずも英雄となったジョン、レイニー、
アイラの3人が戦費調達のキャンペーンでアメリカ各地を飛び回る姿が交互に
映し出されていくからこそ、戦場の描写が際立っている。
英雄とはただ誰かの都合によって創り出されるだけで存在などしないこと、
そして英雄として祭り上げられた者の人生を左右することが胸に迫ってくる。
麻薬の運び屋となった90歳の孤独な老人を巨匠が演じる実録映画!
映画『許されざる者』と『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー作品賞と監督賞を
受賞したクリント・イーストウッドが麻薬の運び屋を演じた実話に基づく驚きの
映画が2018年公開の『運び屋』で、イーストウッドは主演の他に製作と監督も
務めた。
2014年6月にニューヨーク・タイムズ・マガジンに掲載された「シナロア・カルテル
の90歳の運び屋」という記事が映画の原案となっている。
クリント・イーストウッドは2008年公開の映画『グラン・トリノ』以来10年ぶりに
自身の監督作で主演を務め、2012年公開の映画『人生の特等席』以来6年
ぶりに主演を務めた。
映画『運び屋』特報【HD】2019年3月8日(金)公開
あらすじ
間もなく90歳を迎えようとしているアール・ストーンはデイリリーという名の花の
栽培に精力的に取り組んで品評会で高い評価を受けているが、家族をないが
しろにしたことから見放されてしまった孤独な老人だ。
時代は変わり、インターネット販売の波が押し寄せてきたことからアールの
事業は傾き始めてしまう。
ついには自宅と花畑を差し押さえられる寸前にまで追いつめられたとき、
ひとりの男から「車の運転さえすれば金になる仕事がある」と告げられる。
仕事を引き受けたアールだったが、実は麻薬の運び屋という危険と隣り合わせ
の仕事だったのである。
見どころ
不器用ながらも一生懸命に生きる孤独な老人をクリント・イーストウッドが味わい
深く、ときに軽妙に演じている。男はどこまでも不器用な生き方だけをしてしまう
のか、という思いが胸に込み上げてきて切ない気持ちになってしまう。
映画『アメリカン・スナイパー』で主演を務めたブラッドリー・クーパーが麻薬
捜査官、映画『ミスティック・リバー』に起用したローレンス・フィッシュバーン
がクーパー演じる捜査官の上司役を演じている。
また、映画『ハンナとその姉妹』と『ブロードウェイと銃弾』でアカデミー助演
女優賞を受賞したダイアン・ウィースト、イーストウッドの実の娘である
アリソン・イーストウッドも出演している。
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心に傷を負った者たちと見捨てられた競走馬が織り成す感動の実話
見捨てられた競走馬シービスケット、愛する家族を亡くした実業家、家族から
引き離された青年、時代に取り残された調教師の出会いによって起きる奇跡の
実話を描いた映画が2003年公開の『シービスケット』である。
映画『クレイジー・ハート』でアカデミー主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジス、
サム・ライミ監督による『スパイダーマン』で主人公を演じたトビー・マグワイア、
そして『アダプテーション』でアカデミー助演男優賞を受賞したクリス・クーパーが
出演した。
監督は映画『ビッグ』と『デーヴ』で脚本を担当し『カラー・オブ・ハート』で監督
デビューしたゲイリー・ロスが務めた。
『シービスケット』日本版劇場予告編
あらすじ
1930年代、大恐慌時代のアメリカ。
自動車事業で財を築き上げたチャールズ・ハワードは最愛の息子を自動車事故
で亡くし、チャールズの妻に去られてしまう。
チャールズは乗馬愛好家マーセラと出会って再婚し、彼女の影響で競馬の世界
に興味を持つ。
チャールズは故郷を追われた調教師トム・スミスに勧められて気性は荒いが潜在
能力が高い競走馬シービスケットを購入し、家族から引き離された青年レッド・
ポラードを騎手として採用した。
シービスケットが打ち立てる連戦連勝の活躍はアメリカ中を熱狂させ、競馬場
には男女や子どもを問わずに大勢の人たちが押し寄せ、ラジオ中継でも釘付け
になる者が出るほどである。
次第にレッドとシービスケットはいつしか家族以上の強い絆で結ばれていくが、
彼らには厳しい試練が待ち受けていたのだ。
見どころ
大恐慌時代にアメリカ国民の注目を集めていたのは時の大統領ローズベルト
でもなければ独裁者ヒトラーでもなく、気性の荒さから見捨てられていた
競走馬シービスケットであった。
疾走感あふれる競馬シーンと心に深い傷を負った3人の男たちの熱いドラマ、
騎手レッドとシービスケットの間に生まれる家族以上の強い絆が描き出され
ていく。
英雄から犯罪者にされたひとりの警備員と無謀な弁護士の闘い!
爆弾テロを未然に防止した英雄から犯罪者にされたひとりの警備員と無実を
信じるたった無謀な弁護士の闘いを描いたサスペンスドラマが2019年公開の
『リチャード・ジュエル』である。
実話を基にした感動の映画『インビクタス/負けざる者たち』を手掛けたクリント・
イーストウッドが監督を務め、映画『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』で
知られるポール・ウォルター・ハウザーが実在の警備員リチャード・ジュエルを
演じた。
リチャード・ジュエルの無実を信じるたったひとりの弁護士ワトソン・ブライアント
を『スリー・ビルボード』でアカデミー助演男優賞を受賞したサム・ロックウェル、
リチャード・ジュエルの母親ボビ・ジュエルを映画『ミザリー』でアカデミー主演
女優賞を受賞した名女優キャシー・ベイツが演じた。
映画『リチャード・ジュエル』本予告 2020年1月17日(金)全国ロードショー
あらすじ
1996年、アメリカ・ジョージア州アトランタ。警備員リチャード・ジュエルは公園で
不審なリュックサックを発見した。
その中身には無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾であり、リチャードは事件を
未然に防止したことで瞬く間に英雄となった。
しかし、現地の新聞社とテレビ局の報道によってリチャードを爆破事件の
容疑者であるかのように報じて、実名報道したことによって状況は一変する。
さらに、犯人逮捕を急ぐアメリカ連邦捜査局(FBI)による捜査とメディアに
よる連日の過熱報道によってリチャードの人格はアメリカ国民の目の前で
おとしめられていった。
そのような時、リチャードの無実をただひとり信じる無謀な弁護士ワトソン
・ブライアントが立ち上がるのだった。
見どころ
新聞、テレビ、ラジオ、インターネット、SNSがひとりの人間を英雄にする一方
で犯罪者にしてしまう力を持つことを突きつけられる映画である。
立法、行政、司法と共にメディアは第4の権力と呼ばれている。権力を監視し、
抑制するはずのメディアがひとりの人間の人生を左右してしまう力を持つこと
を突きつけられる衝撃を突きつけられる映画である。
社会派監督が描く21世紀最大の悲劇の中で起きた奇跡の生還!
未だ数多くの謎に包まれた暗殺時事件の謎に独自の視点で迫る『JFK』、
ベトナム戦争の狂気を描き出した『プラトーン』。
トム・クルーズを人気俳優から演技派俳優へと脱皮させた『7月4日に生まれて』
で知られるオリバー・ストーン監督が21世紀最大の悲劇の中で起きた奇跡の生還
を描いた映画が、2006年に公開された『ワールド・トレード・センター』である。
映画『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞したニコラス
・ケイジが世界貿易センタービルに生き埋めになりながらも奇跡の生還を果た
した実在の警察官を演じた。
【映画】ワールド・トレード・センター 予告
あらすじ
2001年9月11日火曜日、アメリカ・ニューヨーク。
警察官ジョン・マクローリンはいつもと変わらない朝を迎え、今日も警察官
としての業務を始めた。
しかし午前8時40分過ぎ、世界貿易センタービルのタワー1にハイジャック
されたアメリカン航空11便が激突した。続いてユナイテッド航空175便が
タワー2に激突した。
ジョンは部下のウィル・ヒメノらと共に世界貿易センタービルに取り残された
人たちの救出に向かうのだった。
見どころ
予告を観ただけで涙が溢れてくるほどの映画である。命の危険を顧みること
なく、世界貿易センタービルに取り残された人たちの救出に向かう警察官
ジョン・マクローリンとウィル・ヒメノの姿に胸を打たれる。
オリバー・ストーンが社会派監督としての一面を一切出すことなく、2001年
9月11日に起きた同時多発テロ事件で起きた奇跡の生還を描いていく珍しい
作品である。
いつものように朝を迎えるニューヨークの姿から同時多発テロ事件によって
混乱に陥る状況を克明に描き出していき、まるでテロ事件の現場にいるかの
ような感覚となる。
あまりの衝撃にただ涙が止まらずに自身の無力さを痛いほど感じさせられて
しまう。
まとめ
今回は、この7作品を選出させていただきました。
どれも見応えのある作品ですので、機会があれば是非、ご鑑賞してみて
いかがでしょうか。
最後までありがとうございました。
ゆうすけ